エイズの起源 [単行本]

By in 新刊コーナー on 2013/07/03


,現代最悪のパンデミックをもたらしたこの感染症については夥しい文献が書かれたが,
1981年以前の出来事を扱った本はほとんどない.それは1921年頃の中部アフリカで始まった.
出版社: みすず書房 (2013/7/6)
[amazonで見る]


1981年6月.米国疾病管理予防センター発行『疫病週報』の短信が特異な肺炎5例を報じた.
のちに数千万人の死者を出すことになる後天性免疫不全症候群(エイズ)認知の第一歩である.
以降,現代最悪のパンデミックをもたらしたこの感染症については夥しい文献が書かれたが,
1981年以前の出来事を扱った本はほとんどない.
一体何があったのか? ウイルスはどこから来たのか? 感染はなぜ拡大したのか? 本書は謎の最も核心に迫った決定版である.
それは1921年頃の中部アフリカで始まった.一握りの人に感染したチンパンジーのサル免疫不全ウイルスが,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)となる.
当時アフリカ大陸を植民地化していたヨーロッパ列強は熱帯病に苦慮しており,皮肉なことにその対策としての医療が感染を広げる結果となった.
貧困による異常な売春がこれに拍車をかける.その後ウイルスはカリブ海へ.運んだのはおそらく「たった一人」のハイチ人だった.
そこで爆発的流行を可能にした拡大装置とは何だったか.
米国は目と鼻の先である.汎世界的流行はここから始まった.
植民地政府の公文書,凍結血液サンプル,疫学,ウイルス学,分子生物学,人口統計.
あらゆる証拠から謎ときパズルのピースが次々はまってゆく.
ヒト社会と感染症の関係を考察する上で欠かせない一冊.
CHOICE Outstanding Academic Title賞,2011年ラジオカナダ科学賞受賞作.

Comments are closed.