取り逃がした未来―世界初のパソコン発明をふいにしたゼロックスの物語 [単行本]

By in レジ裏 on 2013/07/05


本書はAltoのみならず、レーザー・プリンタやイーサネット、Smalltalkを生んだ、ゼロックス・パロアルト研究所(PARC)に焦点を当て、「夢の研究所を持ちながら、大儲けできなかった企業」の歴史をひもとく。

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 その時代には、あり得ないはずの高度な技術や知識が使われている遺跡・遺物を、オーパーツ(ooparts:Out of Place artifacts)と呼ぶそうである。80年代初頭、パソコンの黎明期に情報工学を志した者にとって、論文や雑誌で見る「Alto」は、まさにオーパーツだった。70年代半ばに米ゼロックスが開発したAltoは、マルチウインドウ、GUI、マウス、LANを装備。当時のパソコンを超越していた。Altoの製品版「Star」に初めて触れた時の興奮は忘れられない。
 本書はAltoのみならず、レーザー・プリンタやイーサネット、Smalltalkを生んだ、ゼロックス・パロアルト研究所(PARC)に焦点を当て、「夢の研究所を持ちながら、大儲けできなかった企業」の歴史をひもとく。過去の成功、思考停止、個人の反目や派閥争い、営業や開発現場の無視と失望。企業経営の失敗が多くの証言から明らかにされる。IT技術者から最大級のリスペクト(尊敬)を受けていたPARCが、迷走し離散していく結末は切ない。

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